訪問介護の仕事では利用者宅で様々な生活援助サービスを提供しますが、その中でも食事介助の一環である調理援助は、重要な位置を占めます。利用者のほとんどは高齢者であり、食事の内容そのものが健康状態を左右することも少なくないからです。したがって調理援助をする場合には、高齢者特有の身体的特徴に加え、骨粗鬆症や便秘あるいは食欲不振、さらには食事療法が必要な生活習慣病を抱えているなど、利用者それぞれの身体状況や自立度も把握したうえで、日々のメニューを決める必要があります。

とはいえ、利用者それぞれが満足する食事を作るのは、なかなか難しいのが現実。味付けが合わずに叱られたり、料理の好みを尋ねても「何でもいい」「食欲がない」といったように、無関心な反応も珍しくありません。そこで調理援助では、次のポイントをしっかり理解しておくことが求められます。

まず挨拶や会話の中で、本人の好みや食べたいメニュー等を、何気なく聞くことです。この際には「お元気ですか」「体調はいかがですか」など声かけしながら、利用者の表情や声あるいは精神状態などを素早く把握することが、大切なポイント。自然な会話の流れを意識することで、利用者の健康状態や本心を、的確に聞き出すことが期待できます。そのうえで気温や天候そして冷蔵庫の中身、さらに利用者本人の好みも考慮して、その日のメニューを決めていきます。あくまでも利用者と一緒に相談しながら食事内容を決める姿勢を保つことで、利用者の自立性を促しながら、食事への満足度を高めることが可能になります。その他、生活援助のポイントについては、こちらの参考サイト(http://visit-support.com)を一読するといいでしょう。